雪の華、君の香り、君ヲ想う
でも、そんな瑠香もとうとう
我慢の糸が切れてしまった。


死にたい・・・


死にたい・・・


そう強く思うようになり、
そして自ら身を投げ出そうとした。


そんな時に俺が瑠香を止めた。



『おまえを思い出にしないでくれ・・・』


俺が言った言葉は瑠香にとって特別だった。



初めてやさしくされた、
初めて助けてくれた、
初めて向き合ってくれた、
初めて必要としてくれた。


初めて自分だけに向けられた言葉。


あの言葉は、瑠香にとって、
生きることの幸せを
感じさせる言葉だったんだ。



それが、今の瑠香を生かせているんだ。







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