朝陽






「とりあえず、状況がつかめねぇ。おい、ゴキブリ説明しろ。」



殴りたい気持ちを必死で抑えたが青筋が浮かんでいる土方が言う。



「え・・・命令?あちしMだからはりきって答えちゃう☆」


「おーい誰かコイツぶっ殺せー!!!!」




「時は何年か前にさかのぼって・・・・




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






8年前



あちしは、一人の少女と桜の木の下で出会った・・・



その時は(ゴキブリの)神様見習い所で、毎日下っ端のように働き、細々と食い繋いでいた。



その時はまだ普通の人格を持っていたあちしは、下っ端生活が嫌になり、神様見習い所を抜け出した。

天界を必死で逃げて逃げて、何かにつまずいたと思ったら一気に体が下降していく。



気付いたら、下界にいた。




あちしが落ちた場所は、小高い丘の上の、大きな桜の木の下だった。





桜がとてもきれいで、美しかった。


あちしは桜に見とれていた。隣を見ると、もう一人、綺麗な桜に見とれている女の人がいた。


その女の人はどこか悲しげな表情を浮かべ、桜を見ていた。



< 155 / 171 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop