クロネコ彼氏
やっぱりそうなんだなぁ、って思った。
学校でも言われてたけど、見ず知らずの人に言われると……キツいな。
ぐっと唇を噛んだ。
胸が、ズキズキと痛む。
これほど、平凡な自分を恨めしく思ったことはないと思う。
もっと、可愛かったら良かったのに……。
「――中川」
ぐるぐるとまた考え始めたころ。
黒川くんの抑揚のない声に、ハッとして思考が途切れた。
「う……うん?
どうしたの、黒川くん」
「……」
慌てて、黒川くんを見上げる。
……と、何故か黒川くんは黙り込んでしまった。