EGOISTE


「なぁ……お前……」


俺は言いにくそうに口を開いた。



ニャー



窓の外で猫の鳴き声がした。


鬼頭が顔を上げる。


「猫……」


布団から這い出すと、鬼頭はベッドの上に膝立ちになった。


窓の外の出っ張った木枠に小さな猫がこちらをじっと見つめている。


鬼頭は引き上げ式の窓をちょっと上げると、


「おいで~」


と小さな声で手を差し出した。





にゃー



子猫は小さな声を出して、さっと降りてしまい立ち去った。


「あぁいっちゃった」


鬼頭は残念そうに、窓の外を眺めている。






古くから猫は―――





受胎告知を意味するのだ。









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