EGOISTE

セーフ？

「セーフだろ！？」


ドン！とビールの缶をテーブルに叩きつけ、俺は目の前の二人…水月と楠を睨んだ。


「セーフ」と水月が日本酒の猪口に口を付け顎を引いた。


「アウトに決まってンじゃない！」と楠が眉をしかめている。


「だって車内に居ただけだよ。それに半分僕のせいもあるし…やっぱ僕千夏さんに説明してくるよ」


水月は眉を寄せて立ち上がった。


「いいって…」


俺が慌てて水月を引き止める。


「そんなかっこ悪いことできるかよ」


ちょっと唇を尖らせて、俺はそっぽを向いた。


「一緒に居ただけって、理由になんないよ。あたしは明良兄が他の女と一緒に居るだけで充分嫌な気持ちになる。ね、雅はどう思う？」


楠はコーラの入ったグラスを持ち上げて、俺の隣で焼き鳥を頬張っている鬼頭に目を向けた。


「んー……」とちょっと考えるように首を傾げると、出し抜けに鬼頭が俺を見た。


「ってかこれおいしいね。何？」手に持った串を軽く掲げている。


「それは鶏皮だ。お前渋いもん好きだな」


「ちょっと話題が逸れてる！」


楠が焦れたように、コーラのグラスをテーブルに置いた。


水月は苦笑いを浮かべている。





何でこのメンバーが揃ってるかって？


ここは俺の部屋で


小一時間前、鬼頭が水月と楠を連れて来たのだ。