EGOISTE


雅ちゃんはまこちゃんのおなかの上に顔を預けると、そのまま目を閉じた。


しらゆきひめ、とか眠りの森の美女みたいに、かわいくて可憐な寝顔。


あたしも雅ちゃんの腕の中にもぐりこむと、そっと目を閉じた。


二人の香りがまた一つになって


うとうと…


とっても心地いい。





おやすみなさい





―――

「お前!どこで寝てるんだよ!!」


あたしはまこちゃんの声で起きた。


「だってベッドまで行くのめんどくさいもん」


「だからって男の上で寝るな。警戒心なさすぎ!」


けーかいしんってなに??


なにか、からそうね。


「先生を男だと意識してないからいいじゃん」


「そう言う問題じゃねぇ!」


また言い合い??


ご主人と雅ちゃんはいつも仲良くねんねしてるわよ?


雅ちゃんとまこちゃんも仲良くならないかしらね。


「先生のおなかって硬い。寝心地悪かった」


「やわらかかったら問題だろっ!!」と言いかけて、まこちゃんはちょっと考えるように首をかしげた。


「水月の腹は柔らかいのか?」


「はぁ?んなわけないじゃん。あたしは水月のおなかの上で寝たことないよ。いっつも腕枕だもん」


「あっそ」


呆れたようにまこちゃんがため息を吐く。


「先生寝言言ってたよ。“千夏愛してる~”って」


「え゛!!?」


言ってなかったわよ。



二人ともホントに仲良くねんねしてたから…


って言っても分からないかぁ。





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