普通が好き。
「薊〜絆そ…って…何やってんの…曉…」
絆創膏を手に持ち、松坂さんの行動に、呆れたように眉を下げる弥弌くん。
「えっ?いや…普通切り傷には舐めるのが一番だって…」
「それ、一昔前のやりかただろ。ふりぃーなぁ、お前は」
弥弌くんはそう言いながら、私の指先を消毒して、絆創膏を貼ってくれた。
「有り難うございます…」
「あぁ、気ぃつけろよ」
お礼を言うと、弥弌くんは口を尖らせながら照れてるように背を向けた。
私はその後、危ないと松坂さんに仕事をとられてしまったので、渋々早めに家に帰った。