!戦いで人は成長する!
ベストタイミングだったらしく、猪の上に足を着いた。その瞬間、僕は猪の毛で足を滑らし、頭から地面におっこちた。
四つん這いになり、頭を抑えて起き上がろうとした時、I君が勢いよく僕につまずき、顔面スライディングを披露した。
僕は爆笑しながら、
『お前、必殺技か?』と、I君をバカにした。
I君は怒りながら、
『お前がそんな所で穴掘ってるからつまずいたんだろうが!』
と、つまらん言い争いをしていると、いきなり猪がこっちに向かって突進したきたのだ。
僕はI君を蹴飛ばし、僕も間一髪で突進をかわした。
2人は猪にバカにされたと思い込み、共通の敵に襲いかかった。

僕は左から後ろ足やお腹を蹴り、I君は前から鼻を蹴ってひるんだ隙に首を押え込んだ。それでも、胴体は立ったままで首だけがひねられている状態だった。
僕も『負けねぇ』と意気込み、両足をつかんでやった。
I君がそれを見てて素早く首を放し、前足をつかんだ。
そして、それぞれ猪をつかんだまま立ち上がり、ズルズルと猪の背中を引きずりながら道場に帰った。
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