螺旋迷宮




今日はなんだか不調の様子。



日常会話が耳から流れ込んでくる。


シャットアウト出来ない。



あたしは無言のまま機械人形のように、カバンに荷物を詰め込む動作を中止しない。



手際が良い訳じゃない。


持って帰る物が少ないから手短に終わるだけのこと。




学校に用のないあたしは帰宅しようと思い、軽いカバンを持ち上げ肩にかける。



ドアへと足を踏み出した時、クレープ屋に向かうらしい女たちの1人のカバンがあたしに激突した。



王女様気分にならないあたしは、道を譲ろうと立ち止まる。



< 13 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop