依存型ピアノ症候群

初見→崩壊

そして私は弾き始めた。


ゆったりとした左手のアルペッジョと、流れるような右手のメロディーは、打ち寄せる波を思い起こさせる。

「「左は低音を響かせて。」」
「は…はい!」


少しずつ盛り上がって…

…ダァーン
「「ストップ!!そこはただ強く弾くだけではダメ!!ちょっとした大波をイメージして、力強く!!」」
「う〜…」
「「もう一度。」」


言われるまま、再度弾き始めた。

(大波、大波…)

ピアノは黙っている。

よし、ここはクリアか…

…ところが。

「「全っ然だめね。」」
「…え!?」

「「これじゃあまるで…嵐で大荒れの日本海ね。」」

はぁ〜!?
< 5 / 5 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop