【完】甘い恋よりもそばにいて
「ん?何となくだけどさ……。
莉華、今日は朝から元気ねーし」
えっ?
さっきの気持ちが
どこかへ吹き飛んで
思わず吹き出しそうになった。
これだから先輩は……フフッ。
あたしの親友に
ピッタリだと思うんだけどなあ。
先輩は本当に
あたしのことを良く
見てくれてる……。
そういつだって
どんな小さな変化も
見過ごさない。
たぶん、誰にでもそう。
だから女の子に
モテるのだ。
けれど、
あたしはポーカーフェイスを崩さない。
緩みそうな口元を
キュッと結び直し
先輩の瞳を見つめる。