Crossroad〜私の選ぶ道〜



「自分の中で気持ちの整理をしたかった。だから徹と一緒に行けなかったんだ」


「気持ちの整理?」


「徹にあの時、自分の気持ちをちゃんと伝えていればって……ずっと後悔してた」



前を向いたままの姿勢と表情はそのまま。



だけど、ハンドルに乗せられた手がギュッと握りしめられる。



その言葉と仕草に鼓動が少し早くなる。





「あの時、俺は菜月が好きだった……」





そう呟くように言葉を吐き出した彰吾に私は目が釘付けで。





だけど、鼓動は徐々に落ち着きを取り戻す。





< 100 / 151 >

この作品をシェア

pagetop