Crossroad〜私の選ぶ道〜



確かに、私は徹に甘えてばかりで。


自分の事を優先的にしか考えてなかったんだ。



「例えば収入とか、仕事面とか、向こうの親との印象を良くしたいとか。自分のプラスになるようにしか考えてないって感じだった」


「……」


「でもね、結婚って相手にどれだけ歩み寄れるかって言うのが大切だと思うのよ、母さんは」


「歩み寄る?」


「相手の状況を受け入れて、それに自分も受け入れてもらって。それで2人で答えを導くっていうのかな」



母親の言葉に対して素直に耳を傾けられたのは……



彰吾と過ごした時間があったから。


徹に対しては決して考えられなかった……


彰吾に伝えられなかった自分の考え。





< 131 / 151 >

この作品をシェア

pagetop