いつまでも想い続ける〜切愛〜
別れの音
僕と彼女が出会ってから一週間がたった。

「森山って明るくなったよな!」

そう、クラスの男子に話しかけられることが多くなった。

今ではクラス内に『友達』ができた。

鈴祢。君のおかげだよ。

僕の世界は輝き始めた。

かわり始めたんだ。

僕はその日も昼休みにあの場所に行った。

鈴祢はいた。

雰囲気がいつもと違う。

少し暗い。

「鈴祢?」

「あぁ、森山くんやほー」

力なく笑って手を振ってる。

「どうしたの?」

「私さ、言わなきゃいけないことがあるんだ。」

いやな感じがする。

「私、海外留学することになったの」

「えっ!?いつ!?」

「明日。本当は一週間前から決まってたの。」

一週間前。

僕達が出会ったあの日。

嘘だろ?

鈴祢がいなくなるなんて…

「一年くらいしたら帰れるの。」

「一年も…?」

僕の頭の中は真っ白になった。

「それとね、もう一つ伝えたいことがあるの」

鈴祢は僕にそっと笑い掛けた。

「まだ言う勇気がないから、待っててほしいんだ。一年間。一年後、この場所に来る時まで」

鈴祢はあの可愛らしい笑顔を見せた。




< 11 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop