いつまでも想い続ける〜切愛〜
やっぱり空を切る腕。

「ごめん…私が生きていればよかったのに。ごめんね…」

鈴祢の目が潤む。

「私の存在は森山くんを苦しめるだけなのに…
私はみんなを不幸にしちゃうのに…
私のことなんて忘れていいよ?森山くんだけは幸せになって?」

鈴祢は笑った。

さっきまで桜色に染まっていた頬に涙の後が一つできた。

僕は無駄だとわかって鈴祢の顔を包んだ。

唇を鈴祢の唇に触れさせた。

何かが当たっている感触はない。

ただそこには、氷のような冷たい霊気があるだけ。

僕は顔を離す。

鈴祢の頬はまた少し赤く染まる。

「鈴祢が俺を苦しめる?そんなことあるわけないじゃないか!鈴祢といて感じたものは幸福以外に何もないよ!
それに俺は言ったろ?」

鈴祢はきょとんとする。

鈴祢が聞いていなかったとしても僕は鈴祢に誓ったんだ。

あの日。紙飛行機を机の上に戻した日に。

「俺は愛する人を絶対に忘れません」

鈴祢が目を見開いて驚いた。

でもすぐにあの可愛らしい笑顔に戻って、僕の手に顔をすり寄せた。

「ありがとう」

チリリン…

鈴の音が響く。

鈴祢が徐々に消え始めた。

「もう…行かなきゃ…」

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