秘密の恋愛レッスン

秋原理事長・・・
お父さんはゆっくりと話し始めた。

「私は今、病気なんだ。脊髄小脳変性症。それが私の病名だ」
「脊髄小脳変性症・・・」

あるドラマでやってた。
どんどん運動障害や言語障害を引き起こして、最後は寝たきりになってしまう病気だ。
治療法は・・・ない。

「寝たきりで妻に全部任すのは嫌だった。だから家を出て行ったんだ。本当に申し訳なかった・・・」

お父さんの病気は思ってたよりもずっと重かった。

「少しではあるが症状は出てきている。幸い病気の進行は思ってたより遅かった」

ひとつ呼吸をおいて、口を開いた。

「和弥は、私の子だ。本当の子供のように可愛がった」
「本当の子供のように・・・?」
「和弥は養子なんだ・・・」
「え・・・?」

和弥が・・・養子?

「和弥の両親は火事で2人とも、亡くなられた」
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