秘密の恋愛レッスン

「由美!?どうしたの!?」
「千晴・・・」

私は今までの成り行きを
全て話した。

「私、やっぱり好きだよ・・・」
「由美。恋は悪いことじゃないよ」
「・・・分かってる。
 幸せな気持ちになれた」
「由美は、秋原サマに彼女がいるから落ちこんでんの?」
「違う。だけど・・・」
「・・・?」
「私、欲張りなのッ!和弥を自分のものにしたいって、
 思ってしまうのッ!」

私は、なんて欲張りなんだろう。
恋愛のレッスンなんかして、
勝手に好きになって、
勝手に落ち込んで・・・

「由美。それは・・・

      嫉妬だよ?」
「嫉妬?」
「恋愛ってね、最初は見てるだけでいい。
 ちょっと仲良くなったら、
 傍にいたい。
 傍にいるのが当たり前になったら、
 付き合いたい。キスしたい。
 そう思うようになるの。」

真剣に言う千晴の言葉が、
胸にしみる。

「どんどん欲張りになっていっちゃうんだよ?」
「千晴も・・・?」
「うん。私、こないだ津田先輩の落し物拾ったの。
 思い切って声を掛けたら、微笑んで”ありがとう”
 って言ってくれたの。
 見てるだけでいいって思ってたのに、
 どんどん好きになっちゃって・・・」

千晴・・・
そんなことがあったんだね・・・

私のことでいっぱいいっぱいだったから
話せなかったんだね・・・

ごめんね・・・?
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