極道夫婦―18歳の恋戦―【完】
私の手を握り返す兄貴の手が冷たい。

…そうだよね。

不安なのは、私だけではない。

私は空を見上げた。

窓を開けたら生温い風が入って来たけど、今はそれも気持ち良く感じた。

夏輝が血まみれとか、初めてじゃない。

そう、思ってるのに…
私の心の靄は晴れない。

“離れないで…”と、叫びたくなる。

好きで好きで仕方ないの。

それって、やっぱり、私だけなの…?

我が儘だった?

誰でも良いから教えてよ。

私…夏輝が居ないとダメだよ。




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