極道夫婦―18歳の恋戦―【完】



掃除機の音が耳に入るが、私の目は、どこを見ても何も映さない。

どんなに苦しくても、私の目には、夏輝が映った…―
兄貴や珠樹たちが見えてた…―
なのに、狂わされた心を持つ今、何も見えない。



雄「愛理!」



兄貴が部屋に飛び込んで来た。



雄「お前、今日から夏輝の実家に家に行け。おじさんたちには連絡した。
結婚の話は、俺が解消させるから」



夏「お前、言うつもりなのか」



荷物をまとめ出す兄貴と、兄貴の肩を掴んだ夏輝。

兄貴はボストンバックを夏輝に押し付けた。



雄「愛理を任せた」



兄貴の真剣な眼差しに、夏輝は頷くしかないらしい。
< 73 / 201 >

この作品をシェア

pagetop