永遠の翼
「で、どうなんだ?出るのか?出ないのか?」


「・・・・・・」


俺は少し考える。


場所は市民ホール。


『父さんのコピー』じゃない、俺の音楽を、たくさんの人に聴いてもらえる。


俺が、音楽を通して伝えたいこと。


それを形にできる、いい機会だ。


「・・・出てやるよ」


「えっ?」


俺が答えると、政人は意外そうな顔をした。


「・・・なんだよ?」


「いや、お前こういうの嫌いだと思ってたから」


「・・・文句あるなら出ねぇけど?」


「とんでもない。貴重な資金源だ、ぜひとも出てくれ」


本音はそこかい。


「・・・演奏する曲は俺の自由でいいんだろ?」


「当たり前だ。あくまでこれは俺たちが自主的に、自らの意思で自由にやるもんだ」


「わかった」


「しかし、久々にお前のピアノの生演奏が聴けるのか。面白くなってきたぜ」


「そんな期待されるようなもんでもないけどな」


俺はそう言ったが、政人は嬉しそうだった。


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