永遠の翼
わたしは走る。


その中、頭の中で宏さんの言葉を反芻する。


『新藤 茜』


『彼女の本当の名前は、音羽 茜』


ただ走る。


『彼女は、一度この世界からいなくなった』


『こことは違う、もうひとつの世界で生きることを望んだ』


『けど・・・彼女は戻ってきた』


『お前の幸せを取り戻すために』


私は・・・バカだ。


『彼女は、もうすぐこの世界から消える』


私は思い出した。


昔、お姉ちゃんに頭をなでてもらっていたことを。


私は・・・


お姉ちゃんが大好きだった。


いや・・・今も・・・


今でも、大好きだ。


< 211 / 230 >

この作品をシェア

pagetop