永遠の翼
「それはもう、私の歌声と言ったらすごかったんですよ」


その日の夕食の席で、私は誇らしく話した。


「別にお前ひとりが歌ってたわけじゃないだろ。


もしかすると、お前ひとりだけ音をはずしてたかもしれないだろ」


「失礼なひとですね、宏さん・・・」


「そうだよ、ヒロちゃん。わたしも優ちゃんも頑張ったんだからねっ」


「あー、そうかよ・・・」


「なんか、どうでもよさそうだね・・・」


「宏・・・夕飯食ったら表出ろ」


「な、なんで・・・」


「詩織と優子の話をぞんざいに聞いていたからだ」


「理不尽だからやめてください」


こんな会話で、笑いあう。


楽しい日々。


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