永遠の翼
「それは、人それぞれでしょう」


「・・・うん。そうだよね」


・・・あの日以来。


夢を失った、あの日以来。


今まで私は、日々に流されてきた。


学校やバイトに明け暮れる日々だった。


「そもそも、宝物は人それぞれです。スポーツ、仕事、家族、恋人、友達、音楽・・・他にもまだあります。それは十人十色です」


「・・・うん」


茜の言葉に頷く。


「皆が、宝物を探す道を探しています。それは無数で、時間が許す限り、好きに選ぶことが出来ます」


その通りだと思う。


「道に迷ったとき、誰かが道を教える事はできます。でも、どれだけ道を教えてもらっても進むのは自分です。何かを変えたいと思ったときは、自分から動かないと駄目だと思いますよ」


それは分かってる。


私は、甘えているだけだ。


あの日から一年経って、ようやくそう思えるようになった。


けれど。


人は簡単には変われない。


宝物は、簡単に見つけられるものじゃない。


だから、人は悩むのだ。


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