永遠の翼
―――永遠を求めることは、罪なのかな?



わたしは彼に疑問を投げかける。



―――ぼくには、わからないよ。



―――でも、みんな、永遠を欲しがっていた。



―――そして、笑顔になった。



―――それだけだよ・・・



わたしは空を見あげる。



動かない空。



雲も動かず・・・



太陽も沈まない。



足元を見る。



雪。



溶けることのない雪。



すべて、永遠の象徴だ。



白い世界。



たくさんの笑顔であふれる世界。



・・・なのに、止まっている世界。



―――この世界は、悲しいね・・・



ひとりごとのように呟く。



―――そうだね。



―――きっと、悲しいんだよ・・・この世界は。



彼も、わたしの呟きに頷いた。


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