永遠の翼
―――しかし、困った。


どうしよう・・・


私には新しい住まいのアテがない。


親戚らしい親戚もいない。


「音羽・・・ウチに来るか?」


そんなとき、月島さんが話を切り出す。


「・・・いいんですか?」


私は尋ねる。


「秋夫さんなら、すぐに了承してくれるさ。詩織も喜びそうだし」


「でも、色々と迷惑かけちゃいますよ」


私は目を伏せる。


「でもお前、アテはあるのか?」


月島さんがきつめの口調で尋ねる。


その目は真剣だ。


「・・・いいえ」


「だったら、今晩だけでも泊まってけよ。色々考えるのはそれからでもいいだろ」


「・・・・・・」


通帳は鞄の中に入っているから、お金はある。


その気になれば宿の確保はできる。


・・・けど。


あの家にあった、笑顔であふれる風景を思い出す。


あの中に入りたい。


だから。


「・・・分かりました。とりあえず今晩、お世話になります」


私は、そう答えた。


月島さんは私の答えを聞いて、ケータイを取り出した。


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