永遠の翼
―――これは、そんなにすごいことなの?



彼が不思議そうに訊いてくる。



わたしはそれに頷く。



―――そうなんだ。



―――ぼくはずっとこればっかり見ているから、よくわかんないや。



彼がどこか寂しそうに呟いた。



彼の呟きを聞いて、わたしはある言葉を連想した。



『花は、枯れるからこそ美しい』



『枯れない花に、魅力はないのさ』



・・・そんなことはない。



枯れない花には、枯れない花の魅力がある。



あれは、誰の言葉だっただろう?



・・・そうだ。



あの人だ。



この少年とは違う、彼だ。



わたしの大切だった人だ。



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