先生は蒼い瞳の狼くん
「い…え…」
「…」
そんな返事しか出来なくて、思わず顔を伏せると先生はそれ以上何も言わずに私に背中を向けた
ベランダの柵に肘をついてまるで遠くを見るように目を細める
「………」
その背中が、私にはなんだか…物凄く、小さくて…冷たく…、泣いている様に見える
まるで、少しでも触ればすぐに壊れてしまうそうな背中―…
「せん…せ」
いつもの私なら、きっと気まずくて逃げてる
でも、それが出来ない
その背中をほっておけない私がいる―…
「…」
私はそっと、先生の背中に手を添えて自分の額をその背中に近付けた
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