ラブ&ブレーク!!【短編】
あたしは体がかたまってしまって動けない。
ドアにもたれたまま、高志の言葉を聞いた。
「街ゆく人がみんな、ふり返ってえりかを見てること、気づいてる?」
「それは…」
あたしの身長が物珍しいから…。
「みんな、えりかに見惚れてるんだよ。まるでモデルみたいだって」
「モデル!? そんなわけないよ」
高志の言葉にびっくりした拍子に、ドアから背を浮かす。
高志、何言ってるの…?
「なんで? えりかは体細くてスタイルいいんだから、自信もちなよ」
自信を…。
どこからか、コトンと小さな音がした。
「靴、ここに置いておくよ」