□■君の隣■□
由紀の彼氏さんの隣にいる、人懐こそうな男の人が笑顔で軽く頷いた。
「二ノ瀬 聖っていいます。えっと、しのちゃんっていうんだよね?……ん~……しぃちゃんって呼んでいい?あっ、でも俺、しぃって呼びたいかも」
馴れ馴れしいかな、と心配そうな顔で私を見てくる二ノ瀬くん。
私、この顔、雰囲気、知ってる。なんでだろう…。
「どっちでも良いですよ。えっと、私はじゃぁ聖って呼ぶね」
ぱぁぁぁ、と明るくなった聖を見ると、私まで嬉しくなる。