カウントダウン
最悪な彼氏と意地悪な彼


「お前、肉じゃがぐらい普通上手く作れんだろ。なんだよこんなマズイもん食えるかよ」



「ごめん。口に合わなかった?」



こんな事、日常茶飯事(いつものこと)




マズイなんて心外だよ。
必死にバイトして、稼いだお金で有名な料理教室に通ってるんだよ。


週一で。マジで月謝高いんだから。



こんな努力なんて知らないよね?今私がどんな気持ちか、分からないよね?


だってほら、携帯をイジり出したかと思えば機嫌良く甘えてる。




「美幸さん?今から会える?俺腹減っちゃって。……うん、この前の中華マジ旨かった。あの店また連れてってよ」



女の数なんて何人なのかもう分からない。



堂々としてる。
私は何のためにこの男・佐伯悠斗の彼女なのか分かんない。




「お前もう帰れ」



「うん、片付けてから帰る」


「あっそ」




たった一言。
それで、おねえさんの所に行く。



そう言えば過去に一度だけ別れを切り出した事があったっけ。


その返事が



「なんで俺がお前にフラれなきゃなんねーの。マジ面倒臭ェ女。俺がいいって言うまで別れてやんねぇよ」



当時は確か悠斗に溺れまくってたから、そんなに私と別れたくないんだ♪ってポジティブに考えてたけど。


今思い返しても馬鹿女極まりない。



恋は盲目って恐ろしい。






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