パステルカラーの恋模様

あと一週間もしない内に、冬休みに入る。

冬休みがあって、年が明けて、少ししたら最高学年だ。


そういえば、この前の進路希望調査に、あたしは一応、文学部と書いておいた。


一番無難でしょ?

まだ夢も決まってない人が選ぶ学部としては。



そういえば、啓太は将来、何になるつもりなんだろう。



昼休み、あたしは明日香と一緒に食堂に出向いた。

生徒が列をつくり、ざわざわと騒がしい。



あたし達はいつもはお弁当だけど、時々こうやって食堂も利用している。



「美園、何にする?」

「あたしは、A定食!今日、カボチャコロッケだから」

「じゃあ、あたし、しょうが焼き定食にしよーっと」


それぞれが食券を買い、料理をもらってトレーを持ち、空いている席に座った。


「いただきます」と箸を割った。


「ねぇ、美園さぁ、ちょっと気が早いけど、もうすぐクリスマスだね!」

「くりふまふ?」



あたしは口を押さえながら聞き返した。

そうか、冬休みに入ったらすぐクリスマスだ。




もう街には、イルミネーションが着き始めている。

明日香はニヤニヤと笑って、箸をくるくる回した。
< 109 / 257 >

この作品をシェア

pagetop