パステルカラーの恋模様

「つけてみる？かして」

「あ、うん…」



うわぁ―…。



啓太の手があたしの首の後ろへ回った。



顔が近い。熱い。

心臓の音、聞こえてないかな。


目が合うと、啓太が微笑んで、「すごい似合ってる」と言った。



「ありがとう」

「どういたまして」

「それを言うなら、どういたしまして」

「どう、いたまして？」

「もういいよ、それで…」



思わず笑った。

宝物にするねって言おうとして、やめた。




もう、よけいな事は言わない。


芽生えた気持ちは、口に出さなくても、全部自分の中でかみ締めればいいんだから。




あたし、決めたよ。この気持ちは伝えない。

でも今のポジションは、絶対に手放さない。



それでいい。

傍にいられればいいんだ。




啓太の笑顔を一番近くで見ていられれば、

それでいいんだ。