パステルカラーの恋模様
「つらいですねぇ、お客さん。で?で?どっちがフッたの?!」
「だっから、違うんだってば~!」
明日香も、「何、その話。聞いてないよ!」と、興味津々。
いくら親友にでも、こればっかりは話せないよ…。
「美園殿、恋バナはパーティの基本であります」
「であります、って…、知らないよぉ、そんなん…」
「今、仁美、ケロロハマッてんのよ」
沙紀がポテチを一つ口に放った。
だから、知らんて~!
ただ、一度食いついた獲物は逃がさない、それがイマドキの女子高生。
あたしはすっかり捕まり、「えっと、だから、違うのよ…」と繰り返すばかり。
タ、タスケテ~!
その時、携帯が鳴った。
「あ、誰?」
「あーっ、あたし!!ハイハイ!」
ナイス、電話!
あたしは何とか逃げて、バッグから携帯を探った。
「もしかして、仲直りの電話?!」
「彼氏?!」
「あ~あ~、もう、うるさ~い!」
あたしはやっとの事で、画面を見た。
着信は…知らない番号だ。
誰だろう?
あたしは、耳をそばだてる煩い連中を、押しやりつつ、電話に出た。