パステルカラーの恋模様

「つらいですねぇ、お客さん。で?で?どっちがフッたの?!」

「だっから、違うんだってば~!」



明日香も、「何、その話。聞いてないよ!」と、興味津々。

いくら親友にでも、こればっかりは話せないよ…。



「美園殿、恋バナはパーティの基本であります」

「であります、って…、知らないよぉ、そんなん…」

「今、仁美、ケロロハマッてんのよ」



沙紀がポテチを一つ口に放った。

だから、知らんて~!



ただ、一度食いついた獲物は逃がさない、それがイマドキの女子高生。



あたしはすっかり捕まり、「えっと、だから、違うのよ…」と繰り返すばかり。

タ、タスケテ~!


その時、携帯が鳴った。



「あ、誰?」

「あーっ、あたし!!ハイハイ!」



ナイス、電話!

あたしは何とか逃げて、バッグから携帯を探った。



「もしかして、仲直りの電話?!」

「彼氏?!」

「あ~あ~、もう、うるさ~い!」




あたしはやっとの事で、画面を見た。

着信は…知らない番号だ。



誰だろう?

あたしは、耳をそばだてる煩い連中を、押しやりつつ、電話に出た。
< 136 / 257 >

この作品をシェア

pagetop