パステルカラーの恋模様
「みっ美園?!」
可愛い。
ダメ、やられたワ…。
あたしは思わずくらっとした。
「階段急だから、気をつけてよ?」
「あい…」
あたしはおとなしく、皆とカウントダウンする事にした。
ま、最初は戸惑ったけど、よく考えたら楽しそうだしね!
神社には息苦しいほど人が溢れていて、提灯が並んでいた。
いくつか出店も出ていて、もうお祭り騒ぎだ。
行列はなかなか進まない。
2列ずつで並んでいて、1番前が腕を組んだ明日香と京吾くん。
2列目は、啓ちゃんと鮫島。
そして、あたし一人、ポツン。
あら?
「この前貸したDVD観た?あれ2曲目の演出よかったよなぁ!」
「いや~、でもアンコールの3曲目も捨てがたいよ!」
…何か、配列おかしくないっすか?!
啓ちゃんと鮫島は、あたしの知らない話題で盛り上がってるし。
はぁ、鮫島にまで焼もちを焼くなんて。
本当に重症だな、あたし。
あたしは啓太の背中を見ながら、この前見た卒業アルバムの事を思い出していた。