パステルカラーの恋模様
「おーい?美園~?美園ちゃ~ん?」
「はっ!」
イッカーーン!
あたしったら、また妄想を…!
「あ、たい焼き、買って来たよ。3時のおやつに」
「ほんと?!じゃあ、俺、お茶入れるよ。しぶ~い緑茶」
「はは、しぶ~いのね!ありがとう」
啓太は三脚を片付けて、キッチンに向かった。
カタカタと音が聞こえる。
細いラインの後姿。
あたしは、ぼーっとその様子を眺めていた。
そして、自分の小指を見つめた。
「運命の…赤い糸…かぁ」
「んー?何か言ったぁ~?」
「えっ、ううん!何でもなーい!」
啓ちゃんは、運命とか信じてるのかな。
いや、意外と現実的だったりして。