パステルカラーの恋模様
仰向けになって、天井を見上げた。
ここは、あの部屋の白い天井じゃない。
今、目を閉じて、また目を開けたら、あの日の天井が見えないかな。
あの日に戻れたら……
あたしは、あの時、絶対に生徒手帳を落とさないのに。
携帯番号だって受け取らないのに。
もう、会わないって決めて、冷たく背を向けるのに。
遅いよ。
もう、こんなに好きになっちゃったのに。
お酒なんて飲まなきゃよかった。
家出なんかするんじゃなかった。
やり直したい。
啓ちゃんと出会わなかった頃に戻りたい。
あたしは泣きそうになって、布団をがばっと被り、ぎゅっと目をとじた。
目を覚ましたのは、携帯の着メロだった。
10時…5分前か…。
電気、電気…。
あたしは、手元のリモコンで電気をつけた。
「まぶっ……!」
いきなりついた明かりに、目がチカチカした。
あたしは「ん~…」と唸りながら、目をこすり体を起こした。
そして、ごそごそと携帯を開いた。
メール。誰?