パステルカラーの恋模様
Chapter 9

やっぱり君がいい


「啓~ちゃん!」


あたしは精一杯の笑顔を作って啓ちゃんの名前を呼んだ。

すると、二人はハッとあたしを見た。



啓ちゃんは微笑み、愛美さんは、「何でこの子が来るの?」といった顔で、啓ちゃんを見た。



そんな露骨に嫌そうな顔しないでよ。

あたしは、話聞いたら、すぐ帰るから……。




きっと啓ちゃんは愛美さんに、あたしが今日ここへ来る事を知らせてなかったんだろう。

それは、愛美さんを不安にさせないため……?





でもそんな事より、今、あたし、啓ちゃんの顔を見てるんだ。



栗色の柔らかい髪。

少し寂しそうな瞳。

長いまつげ。

ほんのり色づいた頬。

ゆるめたネクタイ。




……ねぇ、どうしてあたしのあげたマフラーしてるの?

まだ期待させるの…?




顔を見るだけで色んな気持ちが溢れてくる。

ああ、やっぱり好きだなぁ。




泣くな、泣くな、あたし。

笑え。
< 232 / 257 >

この作品をシェア

pagetop