パステルカラーの恋模様
机の上には、テレビのリモコンとかが入っているかごが置いてある。
「これ?テレビ観るの?」
「違うよ…。その隣」
言われるままに隣を見た。
そこには、ある2枚の紙が。
手にとって見ると、それは動物園の無料招待券だった。
「それ、あげるよ。先輩と行ってきたら?二人で」
「えっいいの?」
「いいよ。新聞屋にもらったんだ、それ」
啓太はそう言って、体を起こして、わざとらしく傍に置いてあった新聞紙を、どっかのサラリーマンのお父さんみたいに広げた。
あたしは何だか嬉しくて、啓太の隣に座った。
「ありがとう!あたし、明日、誘ってみるね!」
「あい。どーいたまして」
「先輩、動物園なんて一緒に行ってくれるかなぁ?何か先輩が動物園にいる所なんて想像できないし…でも、ギャップがいいかも!」
「なーんか、美園、恋する乙女って感じ」
「へ?」