パステルカラーの恋模様
その時、ガチャっとドアが開いた。

あたし達は一斉にそっちに注目した。


そこには、マスクをして、寝癖頭の啓太が立っていた。



「何やってんの?」


啓太はあくびをして、首を傾げた。

あたしはハッとした。



「あ、お見舞い!色々買ってきたから。はい」

「ありがと」


慌てて袋を啓太に手渡し、鮫島を見た。

すると、啓太があたし達を見比べて、


「あれ?二人、知り合い?」

と言った。

あたしは大袈裟に首を何度も横に振った。


「いや、初対面。つーか、見舞いつながり?」


鮫島は、「ほらよ」と笑って袋と、授業のプリントを啓太に手渡した。

「サンキュ」と笑う啓太。


すると、啓太がこっちを見た。だけど、あたしはつい、目を伏せてしまった。


あれ?
今、何で目逸らしちゃったんだろう…。



今度は鮫島が、啓太とあたしを見比べた。


「なぁ、啓。こいつ、お前の彼女?つか、吹っ切れたんだ?」

「え?」


吹っ切れたんだ…ってどういう事?
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