【短篇】こ い い ろ 。
 



幼なじみなんだけど、腐れ縁なんだけど、
私達遠すぎた。昔は近すぎた。
それを思い出して泣けてきた。きっとそう。
だけどあのね、もう一つは口が裂けても言えないけど
鮎が彼女と別れたって聞いた時、ちょっと嬉しかった自分がいたの。


「……ありがと」
よくわからなかったけど、そう呟いた鮎の顔は笑っていた。
そういえば、鮎、今日は昔みたいな悲しい顔してなかった、かも。


この感情、幼なじみだからってだけじゃ済まなさそう。



08 end




 
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