二次元ガールとモテモテボーイ
取りあえず椎名颯真から
サッと写真を取り上げた。
「へー、そんなにバレたくないんだー。」
「誰にも言わないでください、よ…。」
もう終わった…泣きそう…。
何故か涙が溢れてくる。
だけど、
「そんな顔しなくても
誰にも言わないけどー?」
あれ?
結構あっさり…。
……そりゃ、そうだよ、ね。
こんな地味で暗いやつがヲタクだろうと
知ったところで何も得はないよね。
知らない間にあたしは
写真片手に思考停止状態で
ぼーっと突っ立っていた。
現実にふと戻されたのは
いきなりあたしの頭に手が乗ったから。
「じゃっ、またねー。杏ちゃん。」
相変わらず淡々とした話し方の
椎名颯真はそう言うと
体育倉庫を出て行った。
またねって、もう一生関わらないし。
思わず突っ込んだ。