借金取りに捕らわれて
明らかに困っている女と少し離れた所に落ちているメガネをバスから降りる奴らは、視界に入らないとでもいう様に素通りしている。



なんだよ、誰か拾ってやれよ。



俺は見兼ねて、メガネを拾った。



「はい。探してんのこれだろ?」





女が顔を上げると俺は息を飲んだ。



それはもう眠気も吹き飛ぶほどに…


外見は地味な女だと思ったが…



かなりの美人だ。





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