借金取りに捕らわれて
いつしか、引き離そうと彼の肩にかけていた手は、力が抜けた体が倒れないように支えになっていた。





「それと、さっき篤志が言いかけたことだが…」





篤志さんが言いかけたこと?何だっけ?





それが何を指しているのか直ぐには思い出せなかったが、彼の言葉には明らかに危険な響きが含まれていた。





「プライベートの指導なら俺がしてやるよ。
勿論ベッドの中でな。」





ニヤリと笑う彼がどんなに危険か頭では分かっているのに、力の抜けてしまった今の私には体を離すことさえ出来なかった。



< 124 / 354 >

この作品をシェア

pagetop