sweet×sweetな恋モヨウ


「アヤ、知らないの?」


アヤの学校ではまだ知られてないのかな?

もしかして、うちの高校だけ?

……いやいや。
この前、雑誌で取り上げられてたって言ってたよね?

ま、いっか。


「ここは、今“超”話題の“デートスポット”なんだよ?」

「そうなの?」


訝しげに俺を見るアヤ。信じてないな。

そりゃ、確かにカップルの姿は見当たらないけど…って言うか、行き交う人すらまばらだけど。


「とにかく行こう?」


入らないことには始まらない。

立ち尽くすアヤに俺は左手を差し出した。


「……何?」

「え?だから、行こう?」

「いや、行くのはわかるけど、コレは何?」


俺の掌を指差すアヤ。


「“何”って、手。……つながないの?」

「なんで?」

「だって“デート”だよ?“恋人同士”だよ?“ラブラブ”の“熱々”だよ?」


普通…だよね?

ここまでの道中、つながなかったのが不思議なくらいだ。


「ほら。早くっ」

< 23 / 44 >

この作品をシェア

pagetop