sakura
sakura *1*
朝日が眩しい。
少し淡い色に染まる雲が
とても幻想的だった。
舗道を一人で
ゆっくりと歩く。
ある曲がり角に差し掛かったとき
――ドンッ
「った…」
誰かとぶつかった。
「わ、大丈夫?!ごめんな…っ!!」
――ドキッ…
心臓が大きく波打つ。
何…これ…??
「あ、ちょっと!!」
男の人だった。
“一目惚れ”なんかあるワケない…。
気が付いたら
思わずその場から逃げ出していた。