。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

そんな哀しそうな顔しないでよ。


そんな今にも泣き出しそうな目であたしを見ないでよ。


あたしは戒の視線から目を逸らすと、


「叔父貴はあたしを姪以上には見てないよ。それはあんたの間違いだ」


「そうかもな……」


戒の口調に重苦しい何かが加わった。


威圧的で、僅かに緊張を帯びた声。


「だけどまぁここまで辿り着くまで苦労したよ。お前の風呂場覗いても背中に彫り紋がなかったときはさすがに俺の勘が外れたのかと思った」


あたしはバッと顔を戻し、目を開いた。


「あ!あのときの~~!!やっぱあれ、お前わざと覗いたんだな!!」


あたしは顔を真っ赤にして思わず怒鳴り、戒を思い切り指差した。


戒は憎たらしいほど可愛い仕草でちょっと舌を出した。


「まぁそれは失敗に終わったわけだけど。俺は考え直して、果たして黄龍は本当に二人居るのか?って原点に戻ったわけだよ。


そんで、龍崎 琢磨の背中見りゃ一発で分かるな。って思って一緒に風呂に入ったってわけ♪」


「あのときも!?純粋に叔父貴と一緒に風呂に入りたいってわけじゃなくて、それが目的だったのか!!?」


あたしの問いに戒は思い切り顔をしかめた。


「誰が野郎と一緒に入りたがるかよ。俺にとっちゃ紋を確かめれればそれで良かったんだ。


でも龍崎 戒の背中にはやっぱり一匹しか描かれてなかった。


んでまたも考え直して、紋は背中じゃなく前にあるんじゃないかってね」


こ、こいつ~~~……


こいつの何気ない行動の一つ一つにそんな裏があったなんて!!!




あなどれん!!!











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