。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

「「「合掌」」」


ここで下宿してる野郎ども22人プラスあたしとメガネ。


合計24人の声が茶の間に響き渡り、その後はもう戦争としかいい様がねぇほど勢いのついた食事が始まる。


「おい、メガネ。わたわたしてっと喰いっぱぐれるぞ」


あたしは隣のメガネを見て一応忠告したが、こいつはこいつでマイペースに食事をしている


ように見えたがその箸さばきは他の野郎どもに負けてなかった。



「大丈夫だよ」とまたのんきに返事を返してのほほんと笑った。



こいつ……あなどれねぇヤツだぜ。





食事も中盤ぐらいに来ると、一番遠くの席にいたキョウスケが立ち上がってあたしのところへ来た。


「お嬢。これ好きでしょう?どうぞ」


と言って机にことりと置いたのは、淡いピンク色をした小鉢に入れられた一片の揚げ出し豆腐だった。


「え?いいよ。お前食えよ」


「俺は、他にもう食っておなかいっぱいなんで、お嬢、食べてください」


キョウスケは無表情に言うと、立ち上がってさっさと自分の席に帰ってしまった。


いつも表情がなくて、何考えてるからわかんないやつだけどいい奴には変わりないんだよな。


そう言えばあいつも蠍座だっけ。




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