。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

ケータイ!?


埋めなきゃ


秘密を―――埋めなきゃ





誰にも知られちゃならない秘密を





――誰ニモ知ラレチャナラナイ――





桜が舞い散るあの春の夜、あたしは懸命に土を掻き分けていた。



早く!


早く―――!!




何かに急き立てられるように、必死に。


見上げると、空にはピンク色に染まっていた。





桜は本当は白い色なのだそうだ。


桜の下には死体が埋まっていて、その血を吸い取ってこんな鮮やかな桃色をしている。


そんな逸話がある。







冷たい何かを頬に感じて、そのときあたしは初めて自分が泣いていることに気づいた。




『朔羅―――』



涙の伝った頬を優しく包み込んでくれたのは




叔父貴だった。


















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