唇にキスを、首筋に口づけを



「あの時、いつもと違ったことといえば、さ・・・」




爽哉がそう呟く前にはそう察していた。




・・・。



私が、いたこと。



「ゆりながいたってこと、だけなんだよね。」




私が頭の中で言ったことと爽哉がそう言ったのはほぼ同時だった。




・・・。



なんなんだ、このムズムズ感。



やだな、なんか、いやだなぁ・・・。



嫌な予感が、する。



ものすごいする。




「なんでかなって、考えて見たんだ、あの日から、すごい考えた。」




・・・私は考えてもいなかった。



今日爽哉に話されてなかったら、一生考えもしなかったかもしれない。




爽哉に、色々考えさせてしまった。




「で、俺が考えても中々思いつかなくてさ。

先輩に聞いて見たんだ。」



どくり、どくり。



自分の心臓の音が大きく加速し始める。




「で、さ。


まあ、ゆーて、仮定であって本当かどうかはわからない話なんだけどさ。」



爽哉がオブラートに包もうと包もうとしてる。



もーいいからさ。



なんだかスパッと言ってくれよ、って感じだ。




「ゆりなには、


ヴァンパイアを惹きつける特有の匂いとか、あるんじゃねぇーかって。」




ドキリ、


なんだか胸を打たれたような感じかした。



・・・。



それはなんとなく感づいていた。




だって、私が爽哉とはぐれて1人になったとき、ゾロゾロとヴァンパイアが寄ってきたし、




ヴァンパイアに、涙を美味いと言われるなんてそんな話、聞いたことがなかったし。



なんか、そういうっ気があるとは、勘付いてはいたさ。



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