オレの愛しいお姫様~秘密のフィアンセ☆番外編~
「泣いて…?」
この父さんが?
ヤクザの組長だぞ?
「神聖な気持ちになったんだよ。自分の血を引いた子供を見た途端、純粋に感動したんだ」
「そうなんだ…。じゃあさ、母さんが妊娠したって分かった時、父さんは泣いて喜んだ?」
すると、父さんは首を横に振った。
「複雑だったよ。お前もそうじゃないか?」
「晴彦から聞いたわよ。由奈ちゃん、あんまり調子が良くないみたい。ちゃんとあなたが、守ってあげなさい」
「そうだぞ。女はな、ちゃんと言葉にしないと分からないぞ?」